★カントリー空気★
☆コラム☆児童文学・絵本について
SINCE 2007年6月 3日
最終更新日 2007年6月27日
【内容】
管理人が読んで心に残った児童文学・絵本について書いていきたいと思います。
C
「ケルトの白馬」
作者である「ローズマリー・サトクリフ(1920〜1992)」は
「歴史もの」を主して書いている
イギリスの女流児童文学者・小説家です。
代表作はローマ時代のブリテンを描いた
「第九軍団のワシ」「銀の枝」「ともしびをかかげて」
の三部作です。
高校生の時、
「第九軍団のワシ」は、図書館で借りて、
「ともしびをかかげて」は、買ってもらって読みました。
岩波の箱入りの子供としては驚くほど高い本でした。
「ケルトの白馬」は、
古代ケルト人が地肌の白い土を露出させて描いた巨大な地上絵です。
「アフィントンの白馬」と呼ばれ、実際にこの遺跡は存在するということです。
ローズマリー・サトクリフはこの絵に魅せられ、
この絵がどのようにして描かれたかを語るこの物語を作り上げました。
当時、ケルト人たちは国としてのまとまりを持たず、
幾つかの部族に別れ、それぞれの部族が激しい抗争を繰り返していました。
主人公ルブリンは、そんな部族の一つ、イケニ族の族長の息子です。
彼には他の多くの人たちとは違った才能がありました。
それは「絵を描く才能」でした。
「絵を描く才能」「族長の息子」というと
「彼は戦を嫌い、平和の象徴としてこの地上絵を描きました」
というのがよくある物語のパターンです。
しかし、ローズマリー・サトクリフはそのような繊細な若者を作り上げはしませんでした。
族長の息子ルブリンは、「族長の息子(一族の者を守るべき存在)」という立場を
きちんと理解し死への恐怖をも飲み込むことのできる強い若者として描かれています。
「イケニ族」は、馬を大切に育て馬の女神を信仰する馬族です。
彼らは平和な日常生活を送っていました。
しかし、ある日同じく馬族である「アトレバテース族」に攻め込まれ
征服されてしまいます。
この戦いで族長をはじめ、イケニ族の多くの人々が死んでしまいます。
この時から族長の息子である「ルブリン」は族長の役目を担わさせられることになるのです。
「征服されたイケニ族」のです。
ある時、
「ルブリン」の絵の才能を知った征服者は、
「アトレバテース族」の勝利の証となる巨大な馬の地上絵を
丘陵地に描くことを「ルブリン」に命じます。
一族の命を握られている「ルブリン」は、その命令を断ることができません。
しかし、そのかわりに「もし絵を気に入ってもらえたなら、イケニ族を自由にしてほしい」と
要求するのです。
絵が完成した時、イケニ族の人々は新しい自分たちの居場所を求め旅立ちます。
しかし「ルブリン」は絵に魂を呼ぶための生贄となります。
「はるか遠い時代とその時代に生きた人間の物語をまざまざと紡ぎだし、しかも史実に忠実」
これがローズマリー・サトクリフに与えられている評価です。
【ご参考】
■「ケルトの白馬」■
ローズマリー・サトクリフ 作 灰島 かり 訳
ほるぷ出版 2000年 12月25日 第1刷発行
平成19年6月27日
B
「ブラッカムの爆撃機」
この話自体は100ページほどの短編です。
第2次世界大戦中のウィンピーの無線士ゲアリーが主人公です。
ウィンピーは、ドイツを爆撃するために作られたイギリスの爆撃機です。
乗り組むのは、高校を卒業したばかりの若者たちとベテラン機長。
ウィンピーは、実際にあった爆撃機ですが、その作りは非常に簡単なものです。
鉄でできているのではなく、アルミ管の骨組に布がはってあるだけなのです。
ブラッカムは、敵を殺したことを自慢げに話す下品で嫌な奴。
その彼がある戦闘でドイツ機を撃ち落とします。
そして生憎なことに近くを飛んでいたゲアリーたちは、
撃ち落とされたドイツ機の中でパイロットの若者が
炎に包まれながら死んでいく様を目撃してしまいます。
この戦闘の後、ブラッカムは気が狂い、
ブラッカムの操縦していた爆撃機に乗る者は不幸に見舞われるようになります。
死んでいったドイツの若者に取りつかれてしまったのです!
ドイツの若者の立場に立てば、
愛している国家・信じているヒットラー
勇敢である自分への誇り
しかし、実際の死に直面すれば
死にたくない思い
大好きなお母さん
様々な思いが交錯し、心がこの世に残ってしまったのでしょう。
無理もない話です。
誰もがブラッカムの操縦していたこの爆撃機に乗りたがらなくなっていきました。
この物語は戦争の悲惨さと、困難な状況の中にあっても
勇気がいかに大切なものであるかを伝えています。
金原瑞人氏の訳がとても素敵です。
スピーディーで物語の中に引きずり込まれるという感じです。
【ご参考】
■「ブラッカムの爆撃機」■
ロバート・ウェストール 作 金原 瑞人 訳
福武書店 1990年初版
(表紙の絵が良いです)
■「ブラッカムの爆撃機」■
ロバート・ウェストール 作 金原 瑞人 訳 宮崎 駿 編
岩波書店 2006年 10月 第1刷発行
(昨年、宮崎 駿 氏の編で発行され大変話題になりました。
宮崎 駿 氏のマンガのページがあります。 )
平成19年6月22日
A
「エルマーのぼうけん」
竜の子供が動物島で動物たちに捕まっています。
島には太い川が流れています。
とらわれの竜の子供は首に太い綱を巻かれて杭(くい)につながれています。
そして川のこちら側から向こう側へ重たい荷物や動物たちを運ぶ仕事を
毎日毎日やらされていました。
かわいそうな竜の子供の話を聞いたエルマーは竜の子供を助けに旅立ちます。
エルマーの持っていったものは、
チューインガム、ももいろのぼうつきキャンディーを2ダース、
わゴム1はこ、むしめがね6個などなどです。
動物島に着くとそれらのものをうまく使って動物たちをやっつけていきます。
そしてついには、竜の子供を救い出すのです。
エルマーは知恵と勇気を兼ね備えた少年です。
子供の心には翼があります。
小学生の頃、エルマーと一緒に冒険をしているような気持ちでこの本を読みました。
■「エルマーのぼうけん」■
■「エルマーとりゅう」■
■「エルマーと16ぴきのりゅう」■
■作者 ルース・スタイルス・ガネット■
■絵 ルース・クリスマン・ガネット■
■訳 渡辺 茂男■
■福音館書店■
平成19年6月10日
@
「大草原の小さな家」
管理人がこれまで読んで一番面白くまた心に残っている児童書です。
主人公は作者でもあるローラ・インガルス・ワイルダー。
これは、ローラの実生活をもとにした物語なのです。
舞台はアメリカ、時代は西部開拓の時代です。
ローラの父、チャールズ・インガルスは農夫です。
当時アメリカ政府は
西部の土地を開拓し、何年間かそこで農業を営むことができた者にはその土地を与える
という政策をとっていました。
チャールズ・インガルスは、自分の土地を手に入れるために骨身をおしみません。
しかし、いなごの大群に収穫間近の作物を食いつくされ、土地を使いものにできなくされたり
せっかく開拓した土地をインディオの保護区にされたり、
鉄道を通すために立ち退きを余儀なくされたりと
定住地を得ることがなかなかできません。
しかし、彼はくじけることがありません。
家族はそれを温かく支えます。
チャールズは、荒地を農地に変えます。
家を建てることもできます。
狼を追い払うこともできます。
厳しい自然に立ち向かいながら
明るくたくましく生き抜いていく一家の物語です。
平成19年6月3日
【目次】
1≪カントリー空気≫トップページ
― 文芸 ―
2★Shop★古本(絵本・物語)
3☆コラム☆カントリー住人による〈思い込み古典講座〉
4☆コラム☆児童文学・絵本について
― 園芸 ―
5★STORE★寄せ植え 管理人制作の寄せ植えの販売をしています。
6★季節のハンギングバスケット★ 管理人制作のハンギングバスケットをUPしていきます。
7★展示★管理人が制作した寄せ植えを展示のコーナーです。
8☆コラム☆モストピアリーの作り方1(生まれたての小鳥の子)
9☆コラム☆モストピアリーの作り方2(羽ウサギ)
10☆コラム☆飾りフェンス(木製)の作り方
11☆コラム☆イチゴ栽培記録:おいしいイチゴをいっぱい食べたいな!
12☆コラム☆植物にチャレンジ!!―管理人の失敗もある植物体験記録と感想文―
― その他 ―
13☆コラム☆管理人 一言日記 (管理人プロフィール)
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